ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

男気ジャンケン

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バイトが終わって、
着替え終わった大学生たちが
タムロしている。

「さて、今日もヤリますか」
「なにを?」
「男気ジャンケンですよ」

男気ジャンケンとは、数人で
ジャンケンをし、勝った人それぞれが
事前に希望した物を全部まとめて
オゴるという、某テレビ番組で
流行ったジャンケンの方法である。

つまり、男気ジャンケンでは
負けた方がオゴられて、
実質的には得をするというもの。

主戦場はコンビニ。
コンビニとはいえ、一番高い
ビールだと300円ほどするため、
10人で3000円ほどになる。

冗談じゃねぇ!!!
俺の今の所持金500円だし。

「もちろん、ぺらいちさんも
 やりますよね?」

大学生たちの前でお金が無い
なんて言えない・・・。

「・・・お、おう、面白そうじゃん」

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男気ジャンケンでは、
男気という名の通り、
勝った方は手持ちがなかろうが、
財布が空っぽになろうが、
喜んでオゴるというスタンスを
貫かなくてはならない。

逆に負けた方も、負けたことを
喜んだりする言動をしてはならない
という暗黙のルールがある。

もちろん、ジャンケンをする前も、
皆内心とは裏腹の言葉を口にする。

「いや~勝ちてぇ~!
 みんなにオゴりたいなぁ~。
 ねぇ、ぺらいちさん?」
「もちろん!年下にオゴらせるわけ
 にはいかんでしょ。メンツがあるしね」

内心、心臓はバクバクしている。
どうしよ・・・勝ったらどうしよう!
まぁ・・・10人いるんだから
きっと大丈夫だ!

そして勝負の時。

「男気ジャンケン、ジャンケンポン!」

俺は1回目の勝負で、
見事に勝ってしまった。

「よっ、しゃあ!」

暗黙のルールの喜びの
雄叫びをあげながら、
俺の心臓は張り裂けそうだ。

やばい・・・これで残り5人。

追い込まれて一気に
頭に血が上っていくのが分かる。

もうどうにでもなれ!!
・・・勝つなよ!勝つな俺!!!

「男気ジャンケン、ジャンケンポン!」

俺以外全員チョキ。
そして俺は、グー。

「うわー!!!!!!!」

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「ぺらいちさーん!ご馳走さまです!」
「お、おい!! 
 ちょっと、今の後出しだろ!!!」

冷静さを失った俺は、咄嗟に叫ぶ。
しかし、そんなことを聞き入れて
もらえるわけもなく、大学生たちは
ビールを選び始める。

500円で足りるわけない・・・。
これは・・・どうすればいいんだ?
逃げようか。
お金無いって白状しようか。

・・・そうだ!!!
クレジットカードがあった!

レジに並ぶ極限状態の俺に、
名案が浮かんだ。
順番が来た俺は、コンビニ店員に
クレジットカードを渡す。

ピーーーーーーーッ

「すみません。
 エラーが出てるんですが・・・」

え・・・、まじか!
カードが止められてる。

「ごめん、ちょっと・・・
 お金貸してくんない?」

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大学生からお金を借りて、
男気ジャンケンの支払いを
済ませる俺には、
男気のカケラもなかった・・・。