ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

容疑者オレ

 

夜2時、バイトからの帰り道。
バイトが続き、睡眠不足で頬もこけて、
病的に痩せてる体も、さらに痩せて
しまったように感じる。

今日も朝から晩まで働いて
疲れたな~。
早く家に帰ってゴロゴロしたい。

ポケットからイヤホンを出し、
再生ボタンを押すと、ノリのいい
KPOPが流れ始める。
あぁ、癒されるわぁ。

音楽にのってペダルを漕ぐスピードも
自然と早まり、大通りの車道を
猛スピードで走る。
夜中なので車の通りもほとんどない。

「あ・・・」

ふと対向車線に目をやると、
パトカーがゆっくり近づいてくる。

ライトを付けず両耳にイヤホンをして、
今まで何回、盗難自転車じゃないかと
職質されたことか。

いつもならお巡りを見つけると、
止められないように、すぐにライトを
付けてイヤホンを外すのだが、
今日はもう疲れた。
めんどくせぇ。

ハンドルを左にきり、脇道に入る。
そしてすぐ、右の大通りに戻った。
その瞬間、車のフラッシュライトが
自分に向けられた。

「はい、ちょっと止まって!」
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二人のお巡りが近づいてきた。

一人は背が小さくて、その後ろに
ガタイのいいのがもう一人。

背の小さい方が
高圧的に話しかけてくる。

「今、逃げたよね?」
「いや、逃げてません・・・」
「ほら、逃げるように脇道入ったでしょ」
「いや、そんなことは・・・」
「正直に言った方がいいよ」

「・・・逃げました」
「だよね」


くそぉっ、なんてツイてないんだ。

「なんで逃げたの?」
「いや・・・ライト付けてなかったんで」
「うん、それだけ?」
「はい・・・すみません。」

後ろのガタイのいいお巡りは、
手際よく無線で自転車登録番号を
照会している。

「名前は?」
「オノです」
「・・・はい。確認取れました」
「じゃぁ・・・」

俺はチャリにまたがり、
その場を立ち去ろうとする。

痛ぇっ!

ガタイのいいお巡りが俺の腕をつかむ。
なんて力だ。
一度逃げたことで完全に疑われてる・・・。

「危ないもん、持ってないよね?
 なんか隠してる?クスリとか」
「いや、そんなもんないです」

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おいおい犯罪者扱いかよ。
頬がこけてるからって、クスリでも
やってると思われたのだろうか。

「ほんと?
 ちょっとカバンの中見せてもらうよ」

背の小さい方が俺のカバンの中を
次々と漁っていく。

「これなに?」
「え?龍角散です」
「・・・」

俺は、龍角散のど飴でも
効果がないときのために、
常に白い粉状のほうの龍角散
持ち歩いている。

背の低い方のお巡りは、
怪しいものを見つけたとばかりに、
ガタイのいい方に目配せする。

「いや!ちょっ!ほんとですって」

ガタイのいいお廻りは、険しい表情で
俺を一瞥すると、カバンの中身を
全てひっくり返した。

うわぁ、マジか・・・。

結局、中身を一つ一つ説明していく
ハメになり、職質が終わった頃には、
時計は3時を回っていた。

くそぉ~~。
こんなことなら
逃げるんじゃなかった・・・。
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