ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

泥沼へ

 

俺の隣で大学生たちが話をしている。

「おまえ彼女と
 まだ付き合ってんの?」
「はい、付き合ってますよ」
「結婚すんの?」
「いやー、結婚は・・・
 どうなんですかね」
「おれは25までには
 結婚したいなぁ」
「たしかに。30過ぎたら
 もうヤバい感じするよね~」

嫌がらせかよ。
30過ぎた俺の隣で
そんな話しやがって。

f:id:peraichikun:20181010231158j:plain

ふいに、こちらに話が振られる。

「ぺらいちさんは
 結婚とかしないんですか?」
「う~ん、今のところしないね」
「ぺらいちさんって
 彼女はいるんですか?」
「え?そりゃぁ、いるよ」

なんだか妙に悔しくて、
咄嗟にウソをつく。

「えーー?ほんとですか~?
 見栄はらないでくださいよ~」
「その彼女、何次元ですか?笑」

なんだとぉ・・・くそぉ。
俺は意地になってウソをつき続ける。

「いや、本当だって!
 昨日も会ったし」

f:id:peraichikun:20181010231230j:plain

「え?マジすか?」

ウソをつき続けるうち、最初は
信じていなかった大学生たちも、
だんだんと俺のウソを
信じ始めているようだ。

いかんいかん。
こんなことでウソつくなんて
惨めすぎる。
ここいらでホントのことを・・・。

すると、次々に大学生から
質問が飛んでくる。

「え?いつから
 付き合ってるんですか?」
「ん?・・・う~~んとね、
 結構前からいるよ」
「え!!何歳の人ですか?」
「いや~・・・同じくらいよ」
「じゃぁ29くらいですか?」
「まぁ~~、そんな感じかな」

やべぇ、いつの間にか
本当のこと言うタイミングを
逃してしまった・・・。

ここまでくると、
もう引っ込みはつかない。

「へぇ~、ぺらいちさんに
 そんな人いたんだぁ~」
「あはは、いるよぉ~俺だって」
「じゃぁ結婚とか考えてるんすか?」
「そうだね~~、まぁ俺くらいの
 歳になるとそういう話も出るね~」

f:id:peraichikun:20181010231347j:plain
「へぇ~、そうなんだ~」

必死に、存在しない彼女を
想像しながら、延々と
苦しいウソをつき続ける俺。

惨めだ・・・。