ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

クールにヨロシク!

演劇フリーターのヒロセが、
今日が初出勤という
新人女子大生のアンナに、
先輩バイトたちを紹介しながら
店を案内している。
これまた、なかなか初々しく
可愛い感じの女の子だ。

「この人が、カサハラやね」
「分からないことあったら
 何でも聞いてよ~」

「で、この子が1年のトモコ」
「よろしくお願いしま~す。
 ダンスやってま~
す」

もうすぐ俺の番がくる。
こういうとき、俺は
できるだけクールに、ヨロシク、
とだけ言って終わらせる。
特に年齢などは明かしたくもない。
20歳そこらの大学生が
俺の年齢(32歳)を知ったらきっと、

“この人はこの年で就職もせず、
 こんなところで一体
 何をしているんだろう?”

なんて思われるに決まっている・・・。
もちろん年齢などいずれバレるのだが、
第一印象くらい少しでも
若くカッコよく見られたい・・・

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次々に紹介が進んでいき、
ついにヒロセが俺の前に来る。
よし。いつものようにサラッとクールに終わらせよう。

「えっとねぇ、この人は・・・」

ヒロセはなぜか俺の体を見回し、
言葉を探している。

「この人は・・・細長オジサン」

新人の女の子は、思わず
プッと吹き出して笑っている・・・。
そして、さらにヒロセは続ける。

「32歳」

おい、このヤロー!!!

「・・・ヨロシク」

どれだけクールに言ったところで、もう遅かった。

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