ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

「なにしてるんですか?」

 

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「ちょっとオノくん、来てくれる?」

先日、朝に出勤してすぐに
店長に呼ばれた。
その横にはオレンジ色の髪をした
男の子が。
いかにもチャラそうだ。

「この子、今日から働くタクマくん」
「うぃ~す。おねしゃーす」

でも中々端正な顔立ちをしてて
坂口健太郎にちょっと似てると言えなくもない。

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「ちょっとさぁ、新しい制服が、
 女子更衣室に届いてると思うから、

 着方とか教えてあげてくんない?」
「え?いいですけど、
 なんで女子更衣室に?」

「新しいのは全部あっちに届くんだよ」
「へぇ~そうなんですか。
 じゃぁ、行こうか」

俺はタクマを連れて
女子更衣室へ向かう。
でも女子更衣室か・・・
入ったことないし、
ちょっと気が引けるな。

コンコン。

部屋の中には誰もいないようだ。
うわぁ~
扉を開けた瞬間、
男子更衣室では嗅いだことのない
フローラルな香りが漂ってくる。
四畳半ほどの広さの更衣室に
2人で入る。
しかし、男用の制服らしきものが
見当たらない。
業者が置いていったなら、
いつもすぐ分かるところに
置いてあるんだけど。

「う~ん、ないなぁ~」
「店長呼んできますか~?」
「うん、たのむわ~ごめんね~」
「うぃっす」

ありゃ。チャラそうに見えて、
意外と気が利くじゃん。
俺は一人で制服を探し続ける。
それにしても香りがすごい。
男子の汗臭い部屋とは大違いだ。

でも制服らしいものないぞ・・・
あ、まさかロッカーに
入ってるのかな。
でも一応女子ロッカーだしな・・・

コンコン。

お、戻ってきた。

「はいよー。店長何て言って・・」

笑顔で振り向くと、女子大生のトモコが
目を丸くして立っている。
丁度出勤してきたらしい。

「な、なにしてるんですか?」

俺は女子ロッカーの扉に
手をかけてしまっている。

 

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「い、いや、ちがうちがう!
 制服探してたんだって」


慌てて手を引っ込め、
説明しようとトモコの方に
手を伸ばすと、
トモコはびっくりして
スッと俺の手を避ける。

「え?制服?
 誰の制服・・・ですか?」

汚いものでも見るような目で俺を見るトモコ。

「いや、いやいやいや、
 そうじゃなくてね・・・」


慌てれば慌てるほど怪しまれていく・・・。

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その場はなんとかトモコの誤解を解いたものの、
その後しばらく、女子バイトの間で
この事が延々と語り継がれることになった。