ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

人気のまかない

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「オノちゃん、ちょっと
 まかない何か作ってくれる?」

「はい、わかりました!」

バイトのまかないは、
いつも基本店長が作るのだが、
今日は東京ドームが
テイラー・スウィフト」の
ライブがあるため、
うちの店も、少し忙しく、
店長が作る暇がないらしい。

店長の作るまかないは、
美味しくないわけではないが、
基本味が濃く、ご飯無しでは
食べられない。
だが、文句を言ったら、
店長が途端に不機嫌になるため、
誰も何も言えない。
みんな少量しか食べないため、
いつも大量に作られた
まかないが鍋に残っていた。

しょうがない。俺が一肌脱ぎますか。

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俺は、まず使える具材を探す。
ひき肉と豆板醤があったので、
麻婆豆腐をつくることに。

バイトが20人ほどいて
全員分作らなくてはならないので、
いつもと勝手は違うが、
麻婆豆腐なら家で
何度か作ったことがあるので、
手順は分かる。

生姜、ニンニクを炒め、
ひき肉と豆腐を合わせて炒める。
しかし、調味料の量は
注意しなければならない。
醤油や砂糖、味噌などの調味料を
少しずつ足していく。
これでよしと。試しに味見をしてみる。

うん、優しい味完成!

よっしゃ、これで少し煮込めば
出来上がり!

休憩の時間になり、
お腹を空かせたバイトたちが
一斉に集まってくる。

「お~!今日のご飯、
 ぺらいちさんが
 作ったんですか~?」


鍋に大量にあった麻婆豆腐が
みるみるうちに無くなっていく。
もうほとんど空っぽだ。

「あ~あ、俺の食べる分無くなるじゃん」

そう言いながら、俺は微笑む。
ふふ、やっぱみんな
いつも味が濃かったから、
控えめの方が好きなんだな。

ま、こんなもんよ。

休憩所に行くと、店長も麻婆豆腐を食べている。

「これ、味薄くない?なんかパンチがない」

「えー?そうですか?」

いやいやいや、
いつもの店長の味付けが
濃すぎなだけだから!
いつも余りっぱなしの鍋の中だって
今日はほとんど無くなってるでしょ。

「うん、これやっぱ薄いね・・・」

もー、いーかげんにしてよ。
仕方なく、一口食べてみる。

あれ?・・・薄い。
ほとんど味無い。

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よく見たら、
先に休憩に行った大学生たちの器にも、
大量にご飯が残っている・・・。

どうやら豆腐から水分が大量に出て、
味が薄くなったらしい。

結局、俺の作った麻婆豆腐は、
鍋からは無くなったが、
洗い場に食べ残しが
大量に置かれることになった。