ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

カラオケにいこう

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ガストでミックスグリルを食べ終えた俺に、
大家さんが話しかける。

「じゃぁ、行こうか」
「あ、はい」

結局、大家さんは何も食べなかった。
俺がミックスグリルを食べている間中、
コーヒーを飲みながら、
にこやかに俺を見ていて、
なんだか急かされているようで、
たまらんかった・・・

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そう、なぜか俺は、
家の裏に住む大家さんに
歌を教えて欲しいと言われ、
一緒にカラオケに行くという、
カラテカ矢部太郎の「大家さんと僕」
みたいな展開になってしまった。
(読んだことないから、
 よくは知らんけど・・・)

丁度、駅前に、
潰れそうなカラオケ屋さんが
一軒あるので、そこに行くことに。
てっきりスナックとかに
連れていかれるのかと思ったけど、
「お酒が入ると声が出ない」という
力の入れようで、大家さんは、
70歳に見えないほど、
軽快に歩いている。

まさか大家さんと2人で
カラオケに行くなんて
夢にも思わなかった。

・・・でも、歌を教えるって、
俺そんな教えるほど、
歌うまくないと思うんだけど?
しかも、一体何の曲教えればいいんだろう?

そんな不安の中、
錆びれたカラオケ店に到着。

「あ、スズキさーん!いらっしゃい」

大家さんは、
もう店主とは顔なじみらしい。

「練習?」

「うん」

店主は俺の方を見て、すぐさま大家さんに質問する。

「息子?さん?」

「いや、家賃滞納者」

「あぁ~なるほど」

いや・・・まぁ、
間違えては無いけど、
その紹介の仕方は・・・
しかもなるほどって。

「何時間にする?」

「とりあえずフリータイム」

えーーー!
フリーターイム?!!
時間制限なしのエンドレスってこと・・・?

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部屋に入り、所々、穴が開いた
黒いソファに並んで座ると、
大家さんは俺に改まって向き直る。

「じゃぁ、よろしくお願いします」

「・・・はい」

そう言うと、おもむろに
大家さんは、デンモク
操作し、マイクをとる。
さて、どんな曲がくるか。
・・・結構、懐メロは聞く方だけど・・・

♪うつむきかけたァアァアァ~
 貴方の前をぉぉぉ~

これは・・・!松山千春?だよな。
正直、演歌とかだったら
お手上げだったけど、
松山千春の曲は昔、親父の
CDラックから借りてきて、
ずっと聞いていたから、
これなら分かる!

でも、確かに下手だ・・・
すると、大家さんは
リモコンで曲を止める。

「ここまで、どうだった?」

「う~ん、そうですね・・・
 もっとこう、
 うつむきかけたぁぁぁあああ~って
 感じですかね」

「なるほど!
 うつむきかけたァアあああ~って
 感じか」

「そうそう!でも、もっとこう、
 うつむきかけたぁぁぁあああ~って
 感じですね」

「うつむきかけたァアァアァ~」

「あ、最初に戻っちゃいましたね」

「うーん・・・難しいね」

「そうだ!モノマネから入るって
 どうですか?」

「モノマネ?」

「そうです。松山千春ってもっとこう
 鼻にかかった感じじゃないですか?」

「ふむふむ。確かに」

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そんなことを続けながら、
結局、一曲終わるのに、
2時間近くかかった。

「いや~、オノくん、今日は、ありがとう」

「いえいえ」

「私は、もうちょっと
 練習していくから先に帰ってて」

「あ、分かりました。頑張ってください」

良かった~
エンドレスかと思ってた・・・

「じゃぁ、週一でよろしくね」

え・・・・