ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

ゲンのペロペロ

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夕方、バイトから帰ってくると、
丸々とした柴犬が、
大家さん家の玄関の前に
ポツンと座っている。

あ・・・大家さん家の犬だ・・・

俺はワンちゃん大好きだけど、
いつも大家さんの後ろに隠れてるから、
あんまり絡めてない。
怖がりなのかなぁ?

俺は、スライド式のアルミの門扉を
ジャラジャラと開け、
ゆっくりと近づいていく。

「大丈夫だよ~怖くないよ~」

すると、犬の方からも
珍しくテクテクと近づいてくる。
これまで全然近づいてこなかったのに・・・
手を差し出すと、ペロペロと舐めてくる。

「かわいいやつだなぁ・・・よしよし」

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ガチャ。
家からリードと小さなバッグを持った
大家さんも出てくる。
それと同時に、犬も大家さんのもとに戻っていく。

「あっ、オノ君!!」

「あ!すみません、勝手に入っちゃって」

「いや、いいんだよ。この前はありがとうね!」

「いえいえ~」

「バイト帰り?」

「そうです」

大家さんとは、今まで、
会釈するだけの間柄だったが、
もう2回のカラオケを通じて、
結構仲良くなった。

「散歩ですか?」

「そう」

「そういえば、
 この子の名前は何て言うんですか?」

「ゲン。ほんとはゲンキだけど
 短くなってゲン」

「ゲンかぁ・・・」

すると、しばらく大家さんの後ろで
俺をジーと見ていたゲンが
またテクテクと近づいてきて、
俺の足元までくる。
今日はやたらと絡んでくるなぁ。
俺はしゃがんで、ゲンを抱きかかえ、
膝の上に乗せる。
最初は居心地悪そうにしていたが、
頭を撫でてあげると、
また俺の手をペロペロと舐めてくる。

「アハハ。おいおい、くすぐったいよ~」

ワンちゃんってやっぱりカワイイなぁ・・・

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すると、それを横で見ていた
大家さんが一言。

「ゲンが舐めるのは、
 別に甘えてるわけじゃないんだよ。
 止めてほしいっていう時に舐めるんだよ」

「え?!」

・・・そうだったのか。
抱きかかえるのを
止めてほしいってことだったのか。

え?待てよ。ということは、
さっきペロペロ舐めてきたのは・・・
もしかして
家の敷地内に入るのを
止めてほしいってこと?

ゲンを膝から降ろすと、
ゲンは逃げるように
大家さんのもとへ走っていった。

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