ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

QUEENな男

 

早朝、珍しく早く目覚めたので、
いつもより、かなり早めにバイト先に着いた。
すると店内から、足踏みの音が聞こえる。

ドンドンッドッ!!ドンドンッドッ!!
ドンドンッドッ!!ドンドンッドッ!!!

あれ?こんな早い時間、誰もいないはずなのに・・・
でも、この聞き覚えのあるリズムは・・・
もしかして、QUEEN

すると、続けて、
ノリノリだがメチャクチャな英語が聞こえてくる。

「♪バリヨロォボーイメラヒッノイ
ぷれーゴナビッサッデッ
ユガっマっヨっフェイス!!ビッグでぃすぐれいすっ!」

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この歌声は・・・ヒロセ。
そうか、映画『ボヘミアン・ラプソディー』見て
感化されたか・・・

「うぃーーうぃる!
うぃーウィルろっきゅーー!!!!シンギンっ!」

裏口のドアの陰からこっそり覗いてみると、
上半身裸になったヒロセが、
机の上に立って歌っている。

・・・おいおい、一人でなんかやってるよ・・・

QUEENのボーカル、
フレディ・マーキュリーになったつもりなのだろうか。
ヒロセは、客席?に見立てた方向に
うなずきながら、手を振っている。

「オぉ~セェンキュウ~!!セェンキュゥゥゥー!!!」
うわー、しかもライブ感覚・・・

どうやら、ヒロセは俺には気づいていない・・・
俺は、どうすればいいんだろう・・・
コイツが歌い終わるのを待って、後から、
何も知らないフリをして、入っていった方がいいのだろうか?
それとも、逆に、今・・・

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俺の中の好奇心がムクムクと顔を出す。

ガチャ。

「お~!!ヒロセ!!なにしとん??」
「うぃーウィ・・・」
突然の大声に、ヒロセの体が一瞬ビクつく。
振り返ったヒロセは目を丸くしている。
「るおおおお!?!?!」
と思うと、ヒロセは大きくバランスを崩し、
机とともにガラガラと倒れてしまう。

え・・・・やばっ

「イテェ―――・・・」

立ち上がったヒロセの体は、
けっこうガッシリとしているが、やけに白い・・・。
相当痛いのか、体を反りながら、
打ち付けたであろう腰を押さえ、
苦痛の表情を浮かべている・・・

「ちょ大丈夫????」

と俺が声をかけると、ヒロセは瞬時に真顔に。

「え??・・・・・・どした??」

「いや、どしたって・・・」

ヒロセの白い肩からは、

赤い血も流れてるのに、ヒロセはクールな顔で答える。

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「え?なにが?」

「いや・・・なんか、ゴメン」

「え??マジで。なにが?全然、平気やで??」

「いや・・・・フフ」

え?もしかして・・・
何もなかったかのように装ってる??!!!
悪いと思いながらも
俺は笑いをこらえきれなかった・・・