ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

お雑煮をつくってあげるぞ!!

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バイトの帰りに、
久々に立ち寄ったスーパーで
大変な思いをしながら
お雑煮の材料を購入した後、
大家さんの家に向かった。

ピンポーン

チャイムを鳴らすと、
誰も出てくる気配がなかったが、
しばらくして、相変わらずマスクをした
顔色の悪い大家さんが出てくる。

「お雑煮作りにきましたよ!」

俺が野菜の袋を見せると、
大家さんの口元が
少し緩んだように見える。

「おぉ・・・ほんとに来てくれたの?まぁ、上がってよ」

家に上がると、ゲンが玄関まで走ってくる。

「お~よしよし」

大家さんちは、普通に
4人家族くらいが悠々暮らせるくらいの
大きさの家だ。
この前のカラオケの時、
奥さんは5年前に亡くなって、
子供もいないって言ってたから、
大家さん、この広い家にゲンと2人暮らしか・・・

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「風邪の具合はどうですか?」

「うーん、まぁ、もう治りかけだよ」

そうは言ってるけど、無理してるんだろうな。
たぶん、食べるものもちゃんと
食べれてないんだろう・・・

台所につくと、俺は、
さっそくお雑煮の準備を始める。

「じゃぁササっと、作っちゃいますね!」

「ほんとに・・・つくれるの?」

大家さんは不安そうな顔で見つめている。

「俺だって、お雑煮くらい作れますよ!
 大家さんは、休んでてくださいよ!」

俺は、台所から大家さんを追い出す。

さて・・・と、
自信満々に言ったはいいけど、
作ったことないから、
作り方なんてわからない。

まずは、お餅はどうしたらいいんだっけ?
焼く?煮る?・・・煮るか。
行平を取り出しお湯をわかす。
大根と人参は、
いちょう切りでいい・・・よな?

トンっ、トンっ、トンっ

うん、まぁこんな感じだろ~

「あ~、違うな~~~~」

「え?!」

振り返ると大家さんが。
見てたんだ・・・

「うちは、ずっと
 大根と人参は千切りで入れるんだよ~」

「あ~、千切り!わかりました」

トンッ、トンッ、トンッ

大家さん、じっと見てる・・・なんか緊張するな~
これで、合ってる・・・よな?

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「あ、違―――うっ!!!」

「え?」

「ちょっと貸してみて」

そう言って、大家さんは、
包丁を持つと、手際よく、
大根と人参を千切りにしていく。

トントントントントントントントン!

うわ~、早ぇ~・・・

「いい?これは料理のキホンなんだけど、
野菜を切る時は、全部同じ大きさにしないと。
火の通りやすさが一緒になるでしょ」

「あぁ・・・すみません・・・」

まさか、大家さんがこんなに、
食に、こだわりのある人だったなんて・・・
ってか、だんだん
大家さん元気になってないか?

切った野菜を、沸かしたお湯に入れて、
あとは味付けか・・・。
テキトウに醤油を入れてっと。

「ちょっとちょっとちょっと!!」

「え?」

大家さんが俺から醤油を取り上げる。

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「出汁は??」

「あー・・・」

「ほんとは昆布から取りたいんだけどね。
 時間がかかるから、かつお出汁を使って!
 あと塩を一つまみ、と。
 醤油は香りづけ程度でいいんだよ」

「なるほど~」

「さぁ、ここに茹でた鶏肉とお餅を入れて、完成!」

あーあ。
結局、お雑煮は、
大家さんにほとんど、
作ってもらってしまった・・・

「美味ぇっす」

「そう?」

まぁ。
大家さんの顔色も良くなったし、
結果オーライ・・・かな。